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参考書おじさん参上 うつのみや書店で受験生に助言 香林坊で週1回奉仕

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毎週金曜の夕方、金沢市香林坊2丁目のうつのみや金沢香林坊店に、受験生にアドバイスをする「参考書おじさん」が現れる。市内で40年間、塾を運営する日高邦郎さん(69)=高岡町=だ。問題集作成も手掛ける日高さんは、受験生を見掛けると「テストはどうや」「苦手分野は?」と声を掛け、適した参考書を見繕う。今年で最後となる大学入試センター試験が18、19日に迫り、頼もしい味方となっている。

 宮崎市出身の日高さんは、母校のラ・サール高校(鹿児島市)から名前を取り、高岡町で「ラ・サール会日高ゼミ」を営む。長年、算数オリンピック県事務局も務めている。

 塾生には入試の問題形式に慣れてもらおうと、各大学の出題傾向を分析した問題を作る。自作した問題集をうつのみや金沢香林坊店に置いている縁で、昨年11月から同店でボランティアとして受験生のサポートを行うことになった。

 金曜午後4時半から同7時まで、参考書コーナーで悩んでいる様子の受験生に声を掛け、「英文法ならこの一冊をしっかりやれば大丈夫」「数学が苦手なら、こんな難しい本には手を出さない方がいい」などと助言している。

 店の許可を得て、エスカレーターの横に机を置いて、受験生や保護者からの相談にも乗る。机は勉強スペースとしても活用している。

 日高さんは長崎大医学部に進学したが、学生運動最盛期で満足な授業が受けられず、金大医学部に編入した。アルバイトで塾講師や家庭教師をするうち、教え方がいいと評判になり、1979(昭和54)年に金沢駅近くで同塾を開設した。すっかり金沢になじんだ日高さんは「子どもたちの成績が上がり、少しでも自分の夢に近づいてくれればいい」とやりがいを感じている。

 「参考書おじさん」の活動は、受験シーズンが終わる3月ごろまで続ける予定だ。

 

2020/1/8 株式会社北國新聞社